『青い車』
冷えた僕の手が 君の首すじに咬みついてはじけた朝
凍えるまでずっと君のそばにいてこの長い夜を過ごした。
静かに眠っている君を眺めつづけてた。
もう・・・君は何も言ってはくれないことを知りながら。
そっと君の身体に触れてみたら、何かが吹っ切れた。
永遠の続くような掟に飽きたら
気の遠くなるような時間をすごした。
ひたすら悔やんだ、悲しんだ。
そんな行為に嫌気が差して、無駄だということに気づいたから。
だから、もう行こう。
シャツを着替えて出かけよう
今までの記憶は大事に置いておいて、新しい道を歩き出そう。
君との思い出を誰にも汚されることのないように家にしまっておくよ。
君の青い車で海へ行こう おいてきた何かを見に行こう
あの海へもう一度一緒に行こう。
君との思い出を見に行こう。
あそこへ行けば昔に戻れる気がするから。
もう何も恐れないよ
もう何も恐れるものはないよ。
って自分に言い聞かせる。
そして輪廻の果てへ飛び下りよう 終わりなき夢に落ちて行こう
生まれ変わりなんていらないよ。
君はあの君しかいないんだから。
輪廻の輪から外れて二人でどこかへ逃げ出そう。
神様が許さなくても関係ないから、二人で遠くに行こう。
永遠の世界に飛び込もう。
今 変わっていくよ
僕の中で何かが今変わっていっているよ。
君がいなくなって初めて分かったこともあるんだ。
生きるということは 木々も水も火も同じことだと気付いたよ
生命は何もかもが一緒なんだね。
死んでしまわないように、消えてなくならないように一生懸命。
必要とし、大事だと思う人や物がいる限り軽んじちゃいけないんだ。
愛で汚された ちゃちな飾りほど 美しく見える光
綺麗な宝石じゃない、金で出来てるわけでもない。
ただの安物だけど、僕らの想いがいっぱいのこれの方が綺麗に見える。
君の青い車で海へ行こう おいてきた何かを見に行こう
あの海へもう一度一緒に行こう。
君との思い出を見に行こう。
浜辺でなくした物が見つかるかもしれないよ?
もう何も恐れないよ
もう何も恐れるものはないよ。
何も・・・ね。
つまらない宝物を眺めよう 偽者のかけらにキスしよう
宝物の君からもらったプレゼントを見ていよう。
君の写真にキスをしよう。
でも、君がいなけりゃ何も意味がない・・・
今 変わっていくよ
僕の中で何かが今確実に変わっていってるよ。
考え方も、いろいろと。
そして、君への思いも。
潮のにおいがしみこんだ 真夏の風を吸いこめば
君といたあの夏の風の真っただ中に立てたなら。
心の落描きも踊り出すかもね
自棄になって心の中でぐしゃぐしゃに書きなぐったこと。
自分でも描いたのか書いたのかすら分からなかった。
それも解決するかもしれないね。
君の青い車で海へ行こう おいてきた何かを見に行こう
あの海までもう一度一緒に行こう。
君との思い出を見に行こう。
何か見えたらいいな・・・
もう何も恐れないよ
もう恐れるものは何もないよ。
君がいなくなることが一番恐かったんだから・・・
それ以上の恐怖なんてないよ。
そして輪廻の果てへ飛び下りよう 終わりなき夢に落ちていこう
生まれ変わりなんていらないよ。
君はあの君しかいないんだから。
輪廻の輪から外れて二人でどこかへ逃げ出そう。
神様が許さなくても関係ないから、二人で遠くに行こう。
永遠の世界に飛び込もう。
今 変わっていくよ
今、変わっていってるよ。
輪廻の輪から離れた僕らがいるからね。
今 変わっていくよ
今、変わっていってるよ。
君が僕の目の前からいなくなって、僕の心の中に来たんだ。
ただ、それだけだよね。
そう・・・形が変わっただけなんだよね・・・
感想
非常に悲しい詩でした。
お通夜にきて初めて「君」の死を現実のものと理解したんでしょう。
ただ信じきれずに思い出に浸り、少しでも自分が傷つかないようにしてるように思えます。