『ホタル』

 

時を止めて 君の笑顔が

君の笑顔に心奪われていた。

我を取り戻したその瞬間に気づいたよ。

胸の砂地に 浸み込んでいくよ

君の笑顔は僕の心に何の抵抗もなく入ってくる。

ゆっくりと確実に、優しく奥まで僕を浸してくれる。

闇の途中で やっと気づいた

僕にとってここは何の希望もない暗い世界だった。

でも、僕は出逢った。

一条の光が差し込んできた。

すぐに消えそうで 悲しいほどささやかな光

その光は弱々しく、今にも消えそうだった。

せっかくこうして出逢えたのに、君はすぐいなくなるんだね。

そう思うといっそう君の笑顔が悲しくて・・・

だけど僕には何もできない。

なまぬるい 優しさを求め

偽りの優しさがあふれている。

人は本当の優しさを知らずに、探し続ける。

変わり続ける街の中で

絶えず目まぐるしく変わっていく変わっていく街に生きている。

流行、価値観、そして人まで変わりゆく。

終わりない 欲望埋めるより

そんな所でキリのない欲望を満たそうとするのは無意味だよ。

どうせできっこないんだから。

懐かしい歌にも似た

それよりも昔聞いた子守唄のような、

母親の腕に抱かれたような、

そんな安心感をくれる優しさに満たされたい。

甘い言葉 耳に溶かして

小悪魔のささやきのような君の言葉を聞かせ続けてほしい

僕のすべてを汚して欲しい

そして僕を君に染めてほしい

君の存在を感じていたいから。

正しい物はこれじゃなくても

たとえ君の言葉が普通とは違っていても。

それを世間が間違ってるといったとしても。

僕は何一つ後悔なんてしないよ。

忘れたくない 鮮やかで短い幻

ずっと思い続けていきたい。

君は僕のとても鮮やかな記憶になって、すっと消えていく幻だったとしても。

ひとつずつ バラまいて片づけ

人は毎日毎日何ということもなく目の前にあることをこなしている。

生まれて死ぬまでのノルマから

この世に生を受け、学校へ通い、会社に勤め。

老後を過ごし、死んでゆく・・・

ただそれだけの一生。

紙のような 翼ではばたき

君はそんな普通の毎日は過ごさなかった。

・・・過ごせなかったんだよね。

何時果てるかわからない命。

一生懸命生きていた・・・一生懸命、必死に。

どこか遠いところまで

そして、ついに僕の知らない遠いところへと君は旅立った。

僕を残して。

時を止めて 君の笑顔が

時を越えて君の笑顔が蘇ってくるよ。

鮮明に君の在りし日のままに。

胸の砂地に 浸み込んでいくよ

君は僕の心を深く侵している。

忘れることなんてできない。

僕は君の事でいっぱいになった。

甘い言葉 耳に溶かして

もう一度、小悪魔のささやきのような言葉を聞かせてほしい。

僕のすべてを汚して欲しい

そして僕を君に染めてほしい。

これからもずっと君の存在を感じていたいから。

正しい物はこれじゃなくても

君と出逢い、君を愛し、別れを経験したことが間違いでも。

忘れたくない 鮮やかで短い幻

ずっと思い続けていきたい。

君は僕のとても鮮やかな記憶となって、僕の元から去ってしまった。

それは幻

幻は、幻ゆえに美しい。

君は、君ゆえに・・・

僕は・・・君とこうして逢えたことに感謝したい。


感想

全然言いたいことが書けませんでしたので、ここで少し付け足しという形で少し。
「胸の砂地」ですが、心の弱い部分=「ヤワなハート」と通じる部分も見えるような見えないような・・・
「君」が余命いくばくもないときに「僕」が出逢ったんでしょうね。
長くない命の中で「僕」に非常に大きな影響を与えたのでしょう。
床に伏せっていても笑顔を絶やさない、そんな「君」を愛し続けたまま・・・ということでしょうか。
最後に無理やりつなげようとしたんですが、君の“つかの間の生”を“短い幻”とたとえたんでしょうね。
美人薄命・・・とはまたちょっと違いますが、天は「僕」にとって理想の人に長命は与えなかったのでしょう。

 

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