『稲穂』

 

美しく実る稲穂に 愛を知る 夢も終わる

君の美しい姿に、僕は初めて本当の愛を知った

今まで夢見ていた愛は、今終わりを告げた

駆け出した 風に逆らい 夕焼けが僕らを染めていた

周りの苦言に逆らい、僕らは前へ進みだした

夕焼けが後押ししてくれるように僕らを照らしていた

あり得ない明日に憧れ 何度でも無理にふくらまし

実現できっこない夢を見続けて

夢が駄目になる度に、また新しい夢を見続けて

そんな日々を軽くなでられ なんでだろう? 涙が止まらない

そんな僕は、君に母親のようになでられて・・・

どうしてだろう、涙が止まらなかったよ

なんでだろう? 君から逃げられない

どうしてだろう、君のいない日は考えられなかったよ

誰にも会えない気がしてた クジ引きだらけの街にいて

この街に僕にふさわしい人はいないと思っていた

偶然だけが支配する世界にいると思っていたから

もうウソはつけない 無性に何か飲みたい

でも、もう自分の心にウソはつけない

僕は母親のぬくもりを追い求めていたんだ

初めて本気でカワイイ蜂に刺された

生まれて初めて、衝撃的な出会いをした

君という人がいることにショックを受けた

泣き笑いドラマよ続け 夕焼けが僕らを染めていた

涙と笑顔入り混じって、僕の物語よ続いてくれないか

夕焼けが僕らを後押ししてくれていた

夕焼けが世界を染めていた

すぐ先の儀式を、夕焼けが教えていた

ゆるぎない事実に直面することになる

ケモノになれないケモノでも 優しくされたら燃え上がる

夢見がちな男だけど、優しくされたら僕だって積極的になるよ

君を奪って、ここから逃げ出したい

遠い国の景色 今 君に見せたい

遠い故郷の景色、今、君に見せてあげたい

もう叶うことはないけれど

最後の花火を二人で打ち上げようよ

最期の花火を、二人の力で打ち上げようよ

お願いだから、最後に一度だけ・・・

泣き笑いドラマよ続け 夕焼けが僕らを染めていた

僕と君の物語よ、どうか続いてくれないか

夕焼けが僕らをさびしく映し出していた

夕焼けが世界を染めていた

夕焼けが、これから来る闇が、僕の世界を覆い尽くそうとしていた


感想

何か飲みたいというのは母乳でしょうか。
男性は母親と似ている女性を好きになると言いますが、それと関係あるのかもしれません。
また、母親の暖かさをもつ「君」に出逢った衝撃と同じだけの絶望が現れているのだと思います。
最後の花火というのが、やはり「君」の死を最も端的にあらわしている部分でしょう。
花火が何を指しているか具体的には分かりませんが、一花咲かせるという感じがします。
特別な思い出を作ることもなく突然に逝かれた悲しみなのでしょう。

 

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