『猫になりたい』

 

灯りを消したまま話しを続けたら

絶望の闇の中、何も見ようとしない自分がいる

君の今の姿から目を逸らし、現実を正視しようとしていなかった

ただ、夢と現実の狭間で在りし日の君と話をしていた

ガラスの向こう側で星がひとつ消えた

僕の手の届かないところで星が最期の光を放ち、消えていった

そう・・・君のことを言ってるんだ

僕は何もできなかった

からまわりしながら通りを駆け抜けて

君が欠けて、僕という歯車は狂った

泣きわめきながら人生の終点を願ったんだ

一刻も早くそこにつくように、君の元へ行けるように

砕けるその時は君の名前だけ呼ぶよ

一つだけ、唯一僕がすることは一生君を想い続けること

君が僕のすべてだったから・・・

広すぎる霊園のそばの このアパートは薄ぐもり

僕にとっては広すぎる霊園

君を少しでも近くに感じていたいと、すぐ横のアパートを借りたのに

天気は僕の気持ちを表しているかのような曇り空

晴れ渡ることもないけど、滝のような雨も二度と降りそうもない

暖かい幻を見てた

そんな中で僕は見ていた

君がいたころの思い出に浸りながら

君という暖かな幻を

猫になりたい 君の腕の中 寂しい夜が終わるまでここにいたいよ

勝手気ままな猫になりたい

そして君に抱かれたい

独りきりの寂しい人生が終わるまで、君のそばで過ごしたいよ

猫になりたい 言葉ははかない 消えないようにキズつけてあげるよ

独りきりで生きられる猫になりたい

言葉はもう君に届かないから

せめて君と僕が一緒にいた証拠を残して独りで生きていくよ

目を閉じて浮かべた鮮やかな逃げ場所は

目を閉じて何も見ようとしない自分がいる

周りの今の状況から目を逸らし、現実を直視しようとしていなかった

ただ、幻想の世界で生きていた

シチリアの浜辺の絵ハガキとよく似てた

その世界はいつか君がくれたシチリア島の絵ハガキとよく似ていた

地中海に浮かぶその島の素敵な浜辺が目の前に広がる

砂ぼこりにまみれて歩く 街は季節を嫌ってる

それは現実とは対照的過ぎるよ

外に出ればただ汚れきった場所なんだ

無機質なそこは自然の流れをも拒もうとする

自然な姿を否定し、かぶり物をまとって生きている

ありのままに生きられない人間がそこにはたくさんいる

つくられた安らぎを捨てて

既製品なんていらないよ

僕はただ想うままに生きてみたいから

猫になりたい 君の腕の中 寂しい夜が終わるまでここにいたいよ

勝手気ままな猫になりたい

そしてやさしく抱かれたい

君が何も言わないなら、一晩中君の前にいるよ

猫になりたい 言葉ははかない 消えないようにキズつけてあげるよ

自然のままに生きられる猫になりたい

言葉なんてもう要らない

ただ、ずっと一緒にいたかった

でも、僕はもう行かないと行けないからさよならするよ

墓前にきた証拠だけ残してね

猫になりたい 君の腕の中 寂しい夜が終わるまでここにいたいよ

勝手気ままな猫になりたい

今は叶わないけど、もう一度君に優しく抱かれたい

君に本当の「安らぎ」を見つけたから

独りじゃ寂しいから、ずっと一緒にいたいよ

猫になりたい 言葉ははかない 消えないようにキズつけてあげるよ

温かい心の猫になりたい

言葉は何も意味がないけど・・・

僕はもう前に歩き出さないといけないからさよならするよ

君といた証に、君をキズつけて・・・

 


感想

複数の考え方ができた箇所がいくつもあって、よくわからなかったです。
アパートは「君」の家だったのかも知れません。
寂しい夜=暗い闇=お墓の中、という考え方もできますし。
猫というのが何を象徴してるのかも微妙ですね。
シチリアという島が侵略と制圧の島で、住民は対外的な拒絶を慢性的に持っていると聴きますす。
それもかかって、今のきれいな姿が好対照に映るのかも知れません。
後のほうの意味がどんどん怪しくなってますが・・・

 

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