『テレビ』

 

君のベロの上に寝そべって

君の世界で何も出来ずに毎日を過ごしていた。

全てが君のペースで進む世界。

僕の命なんて君の考え一つで左右される。

世界で最後のテレビを見てた

唯一の娯楽はテレビ。

これさえも君の手のひらのことなのかなぁ。

いつもの調子だ わかってるよ

今日も君の考えだけで動くんだろ?

もうわかってるよ。

パンは嫌いだった

ちょっとした僕の意見さえも言えない。

言わせてくれない。

ただ僕は思うだけ・・・これがいい、あれがいい、と・・・

さびたアンテナによじ昇って

少しでもそんな世界を壊したくて、あらがってみた。

足元も頼りないけど、僕は精一杯やってみた。

市松模様の小旗を振った

そこでチェッカーフラッグを振った。

一番乗りの勝者を称えた。

少しだけ高いところから世界を眺められた。

少しだけ君に近づいたのかな。

不思議な名前も似合ってるね

そうしたら少し君のことが理解った。

今までは理解らなかったけれど、君の名前にも意味があるんだ。

なんだ、今の君にぴったりじゃないか。

失くさないで ずっと

だから大切にしていてほしい。

君の大事な持ち物なんだから。

いつまでも失うことがないように。

マントの怪人 叫ぶ夜 耳ふさいでたら

得体の知れない誰かが僕らが離れ離れになってしまう夜に心を揺さぶる。

そんな言葉を僕は聞かないようにしてた。

他人なんてどうでもいいから。

春の風によじれた 君と僕と君と

僕は君のことだけを考えてた。

暖かい風が吹いてきて離れたところにいるはずの僕たちの気持ちが重なった。

まだ君の気持ちのほうが強いけどね・・・

去年の秋に君が描いた

君が去年の秋に描いた絵を見つけた。

油絵もどきを壁に飾った

その絵は油絵だったけどお世辞にも上手いとは言えないものだった。

でも、君の一生懸命がつまってる絵を僕の部屋に飾った。

カボチャとナスは仲良しか

モチーフはカボチャとナス・・・?

よく分からない題材だなぁ。

やっぱり君は不思議な人だ・・・

それもいいや だって

でもそれもいいや。

名前の通り、君はやっぱり君なんだ。

少し変わった感じがする不思議な人なんだ。

本当に絵によくあらわれてるから、すぐわかるからね。

マントの怪人 叫ぶ夜 耳ふさいでたら

はっきりと物が見えない世界に、誰が言い出したかも知れない噂が飛び交う。

そんなものに振りまわされないように自分の目で見ようとした。

周りが君のことをなんと言おうが気にする理由なんてまったくないから。

春の風によじれた 君と僕と君と

夜が明けて明るい光が差し込んでくるところを想像した。

君と僕が一緒にいられるような世界を考えた。

春のあたたかな風に包まれる・・・

小舟に乗って 暗闇の外へ

僕らだけでもこの暗闇から逃げ出そう。

手漕ぎの小さな小さな船に乗って。

不安も一緒に乗ってしまってるけど、自分の目でもっと見られるようになるために。

忍者のように そっと近づいて

闇の中から音も立てずに小島に近づく。

光の当たる場所を目指して漕ぎつづける。

ブリキのバケツに水をくんで

君はいつも通りの日常を過ごしている。

毎日を必死に生きる僕らの姿がそこにある。

おなかの大きなママは思った

そんな毎日を過ごしながら、僕らは確実に前に進んでいた。

新たな生命を宿した身体で君はふと思う。

まぶたを開けてもいいのかな

「もう目的地はそこにあるの?」

「もう前を見てもいいの?もういいの?」と。

かまわないさ どうだ

僕はこう答える。

「もういいよ。どうだ、この世界は!」

僕らの新しい生活はここから始まる。

希望に満ち溢れた新たな地。

マントの怪人 叫ぶ夜 耳ふさいでたら

昔のようにバカらしい噂はやっぱり絶えないけれど、もう耳を貸すことなんてないだろう。

君がそばにいるからそんな言葉も耳に入ってこないしね。

春の風によじれた 君と僕と君と

柔らかい風の吹く季節の中で君と僕は本当に一緒になれた。

本当にあたたかな空気が流れつづける・・・

 


感想

かなり時間かかりました。
これほど難しいものだとは思いもしませんでしたね。
全体をサビのあるままに分けて物語がある感じです。
かなりややこしい、人によって色んな考えが出ることが予想されるうたですね。

 

戻る