『冷たい頬』

千代紙さんの投稿

「あなたのことを 深く愛せるかしら」
君が言った言葉 ゆっくりとした歩調の中で
僕は小さく頷いただけ

子供みたいな 光で僕を染める
幼子のように無邪気で 悪戯っぽいその笑顔
その可愛い眩しさに 僕は惹かれたんだ

風に吹かれた君の 冷たい頬にふれてみた 小さな午後
周りには冷たい風が吹き続けている その風より冷たいのは君の頬
どうしてこんなことになったのかな

あきらめかけた 楽しい架空の日々に 一度きりなら 届きそうな気がしてた
君といた日々 幸せだった 続くと思っていた
その日々をこの手でつかむ もう一度

誰も知らないとこへ 流れるままにじゃれていた 猫のように
流されるままに何かを見ていた 君の事だよ きっと
子供っぽく笑う 君の事

ふざけ過ぎて 恋が 幻でも構わないと いつしか 思っていた
君といた事はとうとう幻となってしまった
でも幻でも その夢をもう一度見ることができるなら
君と会えるなら 僕は望んで幻を見る

壊れながら 君を 追いかけてく
壊れていくことによって 少しずつ君に近づける気がした
幻をずっと追いかけてゆく 僕が追いつけるまで

近づいても 遠くても 知っていた
それでも わかっていたんだ
ただ自分が夢を見てること 覚醒することのない夢を

それが全てで 何もないこと 時のシャワーの中で
結局君は戻ってこないんだ 例え時が経とうとも
もう 君はいないんだ

夢の粒も すぐに弾くような逆上がりの世界を見ていた
夢で終わらないように 
僕は未来ではなく 君といた過去を見続けていた

壊れながら 君を 追いかけてく
君に追いつくための旅 壊れてゆくのは君に近づいた証拠
完全に壊れた時 君と一緒になれるんだね

近づいても 遠くても 知っていた
そう無理矢理思っていたけど 本当は気づいていた
認めたくなかっただけなんだ……君に辿り着くことは出来ないと……

それが全てで 何もないこと 時のシャワーの中で
それが哀しい現実なんだと 無情にも時は流れてく
全て終わりってことなんだ…

さよなら僕の かわいいシロツメクサと
本当にさよならなんだね もう取り戻せないんだね 
ごめんね さよならなんだよ……

手帖の隅で 眠りつづけるストーリー
もう目を覚ますことのないストーリー
時が流れても永遠に君はもう戻らない事実 
君がいなくなった世界にいることが辛い

風に吹かれた 君の冷たい頬にふれてみた 小さな午後
冷たい風が吹いている 君の頬を僕のこの手で温めることは出来ない
風はまだ吹き続いている

僕と君との時間は 冷たく凍りついた

 


私的には、亡くなった彼女の事を、いつまでも忘れられなくて、無理矢理悪あがき?して彼女の元へ辿り着こうとしている恋人……みたいな感じです。
「それが全てで 何もないこと 時のシャワーの中で」
ここらへんのくだりが泣けます。亡くなってしまったけど、それを認めたくないというか…、自分がそれを認めちゃったら、誰が彼女が生きていることを認めるんだ、みたいな……。
言ってる事が支離滅裂だー。
やはり、スピッツの詩は奥が深いですね。
 

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