『冷たい頬』

天崎黎さんの投稿

「あなたのことを 深く愛せるかしら」

子供みたいな 光で僕を染める
あなたのことを深く愛せるかしら?
いつの日か君がつぶやいた一言を、今でも覚えている。

風に吹かれた君の 冷たい頬に

ふれてみた 小さな午後
手を伸ばして、君のその頬にふれると。
まるで現実のように冷たかった。

あきらめかけた 楽しい架空の日々に

一度きりなら 届きそうな気がしてた
一度だけ、たった一度だけでも狂ってしまえば君に会えると信じていた。

誰も知らないとこへ 流れるままに

じゃれていた 猫のように
誰も踏んだことのない領域へ行けると思っていたんだ。

ふざけ過ぎて 恋が 幻でも

構わないと いつしか 思っていた
可笑しすぎるこの恋が幻であってもどうでもいいといつしか思っていたんだ。

壊れながら 君を 追いかけてく

自分の中の理性や常識壊しながら、君を求めていく。

近づいても 遠くても 知っていた

だけど、ここと君がいる場所の距離は分かっていたんだ。

それが全てで 何もないこと 時のシャワーの中で

俺はここにしか存在できなくて、どうあがいてもそこには行けない。
流れる時の中でやっと分かったんだ。

夢の粒も すぐに弾くような

逆上がりの 世界を見ていた
あまりに馬鹿馬鹿しい世界を夢見ていたのは俺だったんだ。

壊れながら 君を 追いかけてく

それでも理性や常識壊しながら、君を求めていく。

近づいても 遠くても 知っていた

どんなに距離があるか、とっくに分かっていたんだ。

それが全てで 何もないこと 時のシャワーの中で

俺はここにしか存在できないんだと。君の元にはたどり着けないんだと。
流れる時の中でやっと分かったんだ。

さよなら僕の かわいいシロツメグサと

手帖の隅で 眠りつづけるストーリー
さよなら。俺のかわいい人。夢見ていた永遠の幸せ。

風に吹かれた 君の冷たい頬に

ふれてみた 小さな午後
風が吹いて、また君の頬にふれても。
それは変わらずに、冷たかった。


 

戻る